前回のコラムでは、「経営者が最も見るべき数字は利益である」というお話をしました。しかし実は、会社全体の利益だけを見ていても十分ではありません。本当に重要なのは、利益を細分化して見ることです。
黒字なのに危険な会社
会社全体では黒字、決算書も問題ない、銀行からの評価も悪くない。そんな会社でも突然業績が悪化することがあります。なぜでしょうか。その理由は、利益の中身を見ていないからです。
利益は均等に生まれていない
会社の利益は均等に発生しているわけではありません。商品Aは大きく利益が出ている、商品Bは赤字、商品Cは利益ゼロ——という状況は珍しくありません。顧客も同じです。優良顧客もいれば、赤字顧客もいます。
会社全体では黒字でも、実態としては一部の利益が他の赤字を支えているケースが非常に多いのです。
利益を細分化すると景色が変わる
利益を細分化すると、経営者が見る景色は大きく変わります。以下の単位で把握できるようになります。
- 商品別利益
- 顧客別利益
- 部門別利益
- 担当者別利益
- 事業別利益
- 案件別利益
すると、「どこで利益が生まれているか」だけではなく、「どこで利益が失われているか」も見えるようになります。
赤字は悪ではない
利益分析というと、赤字を見つけて切り捨てるイメージを持たれることがあります。しかし私たちはそう考えていません。重要なのは赤字を発見することです。
新規事業なら赤字でも問題ありません。将来への投資だからです。しかし、赤字であることを知らないまま継続することは問題です。経営者は、赤字であることを理解した上で投資を続けるのか、改善するのか、撤退するのか、を判断する必要があります。
投資判断ができるようになる
利益を細分化すると、投資判断も変わります。
- 利益率が高い商品が見つかれば広告投資を増やす
- 利益率が高い営業担当者のノウハウを横展開する
- 利益率の高い事業へ人員を増やす
- 利益率の低いサービスを見直す
中小企業ほど必要な考え方
大企業は失敗しても体力があります。しかし中小企業は違います。投資できるお金も人材も限られています。だからこそ、どこに投資するべきか、どこを改善するべきか、どこから撤退するべきか、を正しく判断する必要があります。そのために必要なのが利益の細分化です。
ProfitScopeが目指すもの
私たちは30年以上にわたり、企業の利益を分析する仕組みを構築してきました。その経験から確信していることがあります。経営者が見るべき数字は売上ではなく利益、そして利益は会社全体ではなく細分化して見るべきである、ということです。
ProfitScopeが目指しているのは、誰でも簡単に利益を細分化し、利益が生まれる場所と失われる場所を発見できる環境です。
まとめ
- 会社全体の利益だけでは経営は見えない
- 商品別・顧客別・事業別・案件別に利益を細分化する
- 赤字を発見し、投資・改善・撤退を判断できるようになる
- 利益の細分化が収益コントロールの第一歩